軽井沢移住、なるべく費用は安くすませたいですよね。
そんな時、探せば、売りに出ている中古別荘は結構あります。
格安別荘を買って、ちょっと直して住めば、賢くお得に軽井沢移住をできるのでは?
そう考えている方、ちょっと待ってください!
その決断に逆に足元を掬われるかもしれません!!
私は東京での家族4人の生活費が馬鹿にならないため、祖父から譲り受けた軽井沢の別荘に移住を決めました。
毎夏現役で使っている別荘、少々築古でも、問題なく使えていたので、当初はリノベして住むつもりでした。
しかし、調べていくうちにどんどんそれだけでは済まないことが発覚!
結局は高額のお金をかけて、別荘を解体、新築戸建てを建てることになりました・・・貯金はなくなり、ローンも高額(とほほ)
この記事では:
こと軽井沢移住において「格安別荘のリノベをして定住」は何故難しいのか、を解説していきます。
この記事を読むと:
軽井沢移住のために「買ったらアウト」な物件を見極めることができるようになります。
結論は:
- 中古別荘を買って定住に使うのはかなりハードモード!
- 買うなら、しっかり勉強して、物件の状態を見極めてから!
理由について、以下で詳しく説明していきますね!
目次:
1.「夏用の別荘」の問題は「冬寒すぎる」だけじゃない!?
2.壁内のカビ
3.シロアリ被害
4.水道管破裂被害
5.雨漏り被害
6.構造の腐敗
7.断熱リノベの難しさ
8.資産価値の低下した建物を、本当に買う?
1.「夏用の別荘」の問題は「冬寒すぎる」だけじゃない!?
もともと避暑地として発展してきた軽井沢、5月から9月の気候はさわやかさで、とても過ごしやすい印象があります。
多くの別荘はそのような夏の時期だけを過ごすことを目的として建てられた、「サマーハウス」が多いのです。
しかもいま格安で売りに出されているものは、20年、30年前の、今のような建築技術がなかった時代の物件。
現在のような、24時間換気システムもなければ、気密断熱技術も施されていない建物です。
軽井沢は、冬場大変寒い地域であり、
冬の最低平均気温は -8.7℃。-20℃越えの日もあります。
国土交通省の、省エネ基準地域区分では
東北のほとんどの地域より寒く、札幌や稚内と同じ2地域です。
風通しの良いサマーハウスとして建てられた別荘では、冬場凍えてしまい、快適な暮らしができるとは言いがたいです。
そして、さらに問題なのは、軽井沢全域のすごい湿気です。
気温が下がれば、窓サッシは結露でびっしり。
何も対策をしていなければ、家の中も、すぐカビだらけになります。
軽井沢は、都心に比べ、物件の劣化の速度がすごく早い土地なのです。
次の章から詳しく解説していきますね。
2.壁内のカビ
私も幼少時、家が建ったばかりのころは、本当に快適な夏の別荘でした。
しかし、近年は長期で家を空けた後、夏のシーズン初めは、玄関を開けた途端のカビのにおいが気になっていました。
ワンシーズン置いた、布団やリネンにも、カビの臭いがしみ込んでいて、毎年シーズン初めは、大型のコインランドリーに駆け込んでいました。
ちゃんと業者さんにクリーニングに入ってもらえば、また元通りになる、そう思っていました。
ですが、調べていくうちに、実は家中のカビの臭いは、壁内の結露による、壁内のカビの臭いで、壁自体を除去しなければ解決できないことが明らかになってきました。
3.シロアリ、ネズミ
毎回シーズン初めに、階段や廊下に点々と落ちている、木くずや黒い小さなフンのようなものも気になっていました。
きちんと調べると、これは「蟻道」というもので、シロアリが這ってできた道だそう。
まず、壁内の結露によるカビや、湿度により劣化した構造材、そのようなところを餌にシロアリが増えます。
すると、そのシロアリを餌に、今度はネズミが出てくるように。
まさに我が家はそのパターンでした。
確かに、近年は夜になると天井裏で、ネズミがトトトトトッ・・・と大運動会をしている音が聞こえていました。
幸い、まだ我が家では起こっていませんでしたが、
シロアリやネズミが構造材を破壊すると、最悪
- 床の陥没
- 耐震性能の低下
- 建物の傾き
などが起こることがあります。
中古別荘の購入がすべてダメなわけではありませんが、
もし内覧などする際は、必ず室内だけではなく、
- 基礎部分に土の線がついていないか
- 基礎の周辺に線上に砂が盛り上がっている部分はないか
を確認するようにしてください。
これらは建物の構造部分にシロアリが入り込んでいるサインです。
シロアリ駆除の費用の相場は、業者にもよりますが、
単発の駆除で1坪あたり 1万円程度、
一軒家30坪あたり30万円程度が相場とのこと。
ただし、構造材がだめになってしまっている場合は、
シロアリ駆除だけでなく修繕に多額の費用が掛かってしまい、青天井です。
4.水道管の破裂や劣化
古い別荘の場合、水道管凍結破裂のための防止措置が取られていない場合がほとんどです。
水は氷になると体積が増えるので、冬場ものすごく寒くなる軽井沢では、水道管に水が入ったまま放置すると、水道管が破裂してしまいます。
我が家の場合も、夏のシーズン終わりに必ず水道管の「水抜き」を行っていました。
水抜きを忘れて、長期間持ち主が不在、なんていう物件では、もしかしたら水道管が劣化している箇所があるかもしれません。
その場合は、一見大丈夫そうでも、引っ越して水道を使い始めた途端に、水道管が破裂したり、
破損が見えないくらい小さい場合は、気づかずに使い続けてしまい、水道代が使用量以上に高額になってしまうなんてこともあるそうです。
中古別荘購入の際は、未使用時の水道メーターの動きを確認し、怪しいときはきちんと専門の業者さんみてもらってください。
そもそも、水道管の耐用年数が過ぎていないか、必ず不動産屋さんに確認してもらうようにしましょう。
水道管の破損の際の工事費用は 10~50万円が相場
ただ、全て入れ替える必要があり、大規模修繕になってしまう場合もあるようです。
5.雨漏り
敷地に高い木がたくさん生えており、落ち葉が屋根やベランダに降り積もりっぱなしになっていることはないでしょうか。
その葉がそのまま放置され、湿気や雨水などで腐ると、雨漏りの原因となります。
木造のベランダの場合、知らない間に朽ちていて、体重をかけた途端落ちてしまう、なんて事故にもつながります。
我が家の場合、管理人さんにお金を払って、現地にいけない時も定期的に、屋根掃除を行ってもらっていました。
雨水が、壁内や家に侵入していた場合もやはり、
家中のかび臭さや、構造材の劣化からの、シロアリやネズミの侵入といった被害の原因となります。
内覧時に外壁に変色している部分があったり、壁や天井、床の端の黒ずみ
家の中のかび臭さなどがあったら、雨漏りを疑うサインです。
構造材にまで腐敗が進んでいる可能性もあり、そのかび臭さも、クリーニングを行っても除去することはできないことがほとんどです。
屋根、天井、ベランダ、外壁等の修理だけで済んでも
30万〜数100万円程度はかかります。
雨漏りの放置が長期にわたり、構造材の劣化も進んでいた場合は、より大規模な修繕が必要になることがあります。
6.そもそも定住に適した構造か?
そもそも古い30年前の家です。
当時の建築基準法で建てられていますから、耐震性能に問題がある場合が多いです。
軽井沢は、地震の少ない土地柄とはいえ、この日本列島ではどこに地震が来るかわかりませんから、油断はできません。
後から耐力壁などを入れ、建物の上部の耐震性能を良くしても、基礎は変えられません。
そもそも、耐力壁を入れようと思うと、外壁を全部剥がさなきゃいけませんから、莫大な費用が掛かります。
7.断熱リノベの難しさ
当初は私も、「断熱リノベ」というものがあり、省エネの観点から、国や自治体から補助金が出るということを知り、
なあんだ、冬寒いんだったら断熱リノベをすればいいや!
と気軽に考えていました。
しかし、調べていくうちに、それができるのは現在の壁が健康な状態であることや、一度全部外壁を剥がさなければならないこと、壁の見た目がかなり変わってしまうことがわかってきました。
そして、何より、窓のサッシをすべて取り換えなければいけないこと、こちらもどんなに大変なことか、初めは気づいていませんでした。
住宅で、一番熱が逃げていく場所はどこでしょうか。
窓だそうです!その中でもサッシです。
調べていくうち、いくら壁の断熱リフォームをしたところで、窓をしっかりしたものに変えなければ効率が悪いことがわかりました。
古い別荘だと、ほぼもれなく単層ガラス、金属のサッシです。
まれに木製サッシがあるかもしれませんが、古い別荘の木製サッシは気密性が悪く、隙間風が入り放題。
熱伝導率の高い金属のサッシは、室内から熱が逃げていくだけでなく、壁内結露を起こしてカビが発生する原因にも。
断熱性能の高い、樹脂サッシや複層や3層の窓への交換は、窓の周囲の壁を一度壊して工事を行わなくてはならないため、リフォームとは言え、莫大な費用になります。
吐き出し窓を一か所やるだけで30~50万円位かかるとのこと。
これを家中の窓にやるとしたら・・・
とても払えそうにありません。
8.資産価値の低下した建物を、本当に買う?
以上のように、定住を考えると、最低限のリノベをしたとしても、かなり高額になることがわかりました。
断熱リフォームに関する補助金が出るとしても
おそらく数百万はくだらないでしょう。
確かに新築を建てるよりはましかもしれません。
しかしこれは、あくまでも応急処置になります。
しかも結構お金がかかる応急処置・・・
応急措置ですから、かび臭さなどは残ります。
後付けの断熱リフォームも限界があり、極寒の軽井沢では快適な生活からは程遠いでしょう。
そして、もし将来何らかの事情で、いざ手放すとなったときに、そのツギハギだらけの物件は、果たして売れるでしょうか?
我が家は快適さと資産価値を考え、築古の別荘を解体、新築をすることに決めました。
調べれば調べるほど、このまま誰も住めない朽ちていく物件を抱えて固定資産税を払い続け、将来決定的に誰も買い手がつかない物件だけが残る結末は見えてきました。
そのため、高額の出費となりましたが、きちっとした新築を建て、しっかりメンテナンスをしながら、住み続ける道を選んだのでした。
まとめ:
中古別荘を買って定住に使うのはかなりハードモードだということがわかりました。
かなり安い物件も出ていますが、かえって高くつく場合も。
買うなら、以上のチェックポイントを参考に、物件の状態を見極めてからをお勧めします!