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【軽井沢移住】我が家の暖房・温熱設備全部お見せします|コンパクトな4人暮らし【2022年新築】

軽井沢移住、なるべく費用は安くすませたいですよね。

とは言え、軽井沢は札幌並みの寒冷地
冬の最低平均気温は -8.7℃。-20℃越えの日もあります。

夏の別荘ならともかく、移住となると、暖房設備にかけるお金をケチっては快適な暮らしは望めません。

実際、我が家も、移住を決める前に、同じ長野県の上田や、お隣の御代田に住む親せきたちから、「え!?軽井沢に住むの!?絶対寒くて後悔するよ!!」と散々脅されました。

そのため、家を建てる前は、こりゃ相当光熱費かかるな・・・と思っていました。

  • 長く住むのには、ランニングコストがかからない家にしたい。
  • とは言え、イニシャルコストがあまりに高くては意味がない。

軽井沢で暮らすのに、コスパがいいラインはどこなのでしょう。

今回私たちは、建築家の伊礼智先生、工務店の美し信州建設さんに建設をお願いし、
暖房設備に関しても、寒冷地軽井沢に移住するのにちょうどいいコスパのラインを探し、何回も検討を重ねました。

この記事を書いたのは:
私は、幼いころから毎夏軽井沢で過ごし、軽井沢が大好き。この度、子供が2人生まれることを機に、軽井沢に新築を建て、東京23区から移住することにしました。大切な家族との移住、お金もかかるし、絶対に失敗したくない!!

この記事では:
そんな我が家が何回も検討を重ねたどり着いた、2022年現在コスパの良い暖房・温熱設備をすべて紹介します!

この記事を読むと:
寒冷地軽井沢に移住するのにちょうどいいコスパのラインの一例をお見せします!
建築技術はどんどん進んで行きます。2022年現在の我が家の例をご覧になって、ご自宅を建てる際の参考にされてくださいね。

結論は:
コンパクトな高気密高断熱住宅を建てれば、熱源はエアコン1台!
これが2022年の高コスパ寒冷地仕様!
湿気の多い軽井沢では、換気システムの選択も大切!

以下で詳しく説明していきますね!

目次:
1. まさかのエアコン1台
2. 全熱第一種換気
3. 薪ストーブは私のわがまま
4. 太陽光パネルは載せられない?
5. エコキュート?エコジョーズ?
まとめ

1. まさかのエアコン1台

4人家族の我が家は、コンパクトな30坪の総2階建て(1階と2階の面積が同じ)吹き抜けありです。

私の子供の時住んでいた、隙間風ぴゅーぴゅーの東京の実家では、各部屋にエアコン(計5台)あって、それでも夏暑くて、冬は凍えそうで、プラスアルファで夏の扇風機、冬はストーブ3台、各人に電気毛布・・・

それと比べても、軽井沢って寒冷地だし、暖房どうなるんだろう・・・

そんな不安の中、建築設計をお願いした伊礼智先生がご提案くださったのは、なんと、何の変哲もない14畳用エアコン1台だけでした。

えっ!?14畳って、7~8坪でしょ!?
コンパクトで、吹き抜けもあるとは言え、総床面積30坪はあるよ!?

正直びっくりしましたが、昨今の高気密高断熱住宅では、それが常識とのこと。

高気密高断熱住宅は、簡単に言うと、魔法瓶みたいなもの。
窓や壁の断熱性能を高めることで、冷暖房で快適な温度にするとそれが変化しにくく、外の寒さや暑さの影響を受けにくいそう。

エネルギー効率が良すぎるせいで、逆に24時間エアコンつけっぱなしにした方が、省エネになるとか。

エアコンって、つけたてのガーって冷やしたり温めたりする時が一番エネルギー食うんだそうです。

確かに、言われてみれば、冷蔵庫とか24時間冷房つけっぱなしですもんね。

超寒冷地の軽井沢に住むなら、FFファンヒーターとか、床暖房とか入れないといけないと思っていたので、これはうれしい誤算でした。

ほんの10年前とかの常識からしても考えられないですね。

2. 全熱第一種換気

2003年の建築基準法改正により、現在、新築住宅には24時間換気が義務付けられています。

主な換気システムは以下の通り、

  • 第一種換気(全熱):吸気の温度+湿度、排気量のコントロール 
  • 第一種換気(顕熱):吸気の温度、排気量のコントロール
  • 第三種換気:排気のコントロール

上に行くほど高度なシステムになり、お値段も上がります。
さらに、システムが単純な分、電気代などのランニングコストも安価。
メンテナンスも第三種換気の方が楽です。

いいことづくめの第三種換気。
それもあってか通常の都心の物件ですと、第三種換気がメインだそうです。
しかし、軽井沢の新築では湿気と寒さ対策のため、第一種換気(全熱)を採用される方がほとんどだそうです。

我が家でも、第一種換気(全熱)を採用しました。

吹き抜けがありますが、換気システムにより常に家中の空気が動いていますので、
暖かい空気が上にたまることはなく、天井のシーリングファンなども必要ありません

3. 薪ストーブは私のわがまま

気密断熱も、換気システムもこれだけ揃えて、温熱環境に関しては完ぺきな布陣となりました。

しかしそこで、納得していないめんどくさい奴が一人(←私)
・・・え?薪ストーブは?
軽井沢といえば、薪ストーブでピザでしょ。(偏見)

工務店の担当者さんにも、伊礼先生にも、薪ストーブの導入は正直あまり賛成されませんでした。

家の性能が良いので、オーバースペックで、暑くなってしまいますよ。」
「どうしても導入したいのなら、なるべくコンパクトなものでお願いします。」
とのこと。

そんなぁ!私の薪ストーブでピザを焼きたいという夢は!?

ありがたいことに、工務店さんも、伊礼智設計事務所さんも、私の謎の憧れを理解してくださり、コンパクトで建築を邪魔しないデザインのものを探してくださいました。

候補に挙がってきたのは、

  • 山林舎のシェーカーストーブ(伊礼先生がよく使われるおしゃれなストーブ)
  • アンヴィクタのスドンM
  • ドブレのヴィンテージ35(昭和のテレビみたいでかわいい)
  • レダのアレグラ350
  • ヨツールのF205

etc….

【高気密住宅と薪ストーブ】
ここで一つ、高気密高断熱住宅で、薪ストーブを採用する際の注意点を。
外気導入口の必要性についてです。
外気導入口は外気をストーブの中に直接取り入れる吸気口のこと。
薪ストーブは煙突への上昇気流を利用し排気しているのですが、煙突から出る排気量よりも吸気が少ない場合、室内への灰や炎の逆流(バックドラフト)の危険性があるのです。
間接的に外気導入ができるよう、近くの壁に空気取り入れ口を設置するという手もあるのですが、

  • 手動での開閉が必要だったり(着火時開け忘れの危険や、締め忘れによる外気の流入)
  • 気流は完全には制御できず、不確実で、炎の逆流とはいかないまでも、慣れるまでは、灰が巻き上がってしまう

などは頻発するそうです。

ストーブ屋さんに伺ったら、後々何か所も壁に穴をあけないと吸気量が足りない、といったことも起こりうるそう。せっかく高気密高断熱住宅を作ったのに、隙間風が起こる可能性のある穴をあけるのも、何だかなあ・・・

そんなわけで、

  • 外気導入口がある
  • 小型で
  • でもそれなりの大きさのピザが焼ける
  • 建築を邪魔しないシンプルモダンなデザイン

そんなストーブで絞ったところ、以下の2種類が候補に残りました。

1)<LEDA> ALLEGRA 350

薪最大35cm、ピザ25cm位まで焼ける

2)<JOTUL> F205

薪最大40cm、ピザ29cm位まで焼ける

我が家は結局、<JOTUL>F205を選択しました。

デザインがシンプルで素敵だったのと、質実剛健なヨツールのブランドイメージ、あとは、小型なのに庫内が広く、ピザ29cmまで焼ける!というのが決定打になりました。(結局ピザかい)

あ、停電の多い軽井沢で、薪ストーブは非常時の熱源にもなりますよ!(言い訳くさい)

4. 太陽光パネルは載せられない?

我が家は、森の中に住むような暮らしにあこがれていたので、家の建設に必要最小限の木しか切るつもりはありませんでした。

そんな敷地の条件で、我が家が新築をご相談していた5社の工務店さんのうち4社は「日照条件から、ソーラーは無理だと思います」とのこと。

調べていくうちに、軽井沢の鬱蒼とした森の中では太陽光発電は、コスパの悪い選択肢ということがわかってきました。

工務店さんには「もし導入するなら、屋根より高い木は切ってしまう必要がある」とも言われました。

軽井沢でも、太陽光パネルを載せることで得られる補助金はたくさんあります。
エネルギー価格上昇の観点や、停電の多い軽井沢という環境から考えても、軽井沢で、太陽光パネルを載せることはお得な選択肢のように思えます。
そんなわけで、我が家でも、太陽光パネルの搭載は最後まで検討しました。

しかし、やはり日照条件など総合的に見て、あきらめざるを得ませんでした。

5. エコキュート?エコジョーズ?

エコジョーズとエコキュートはどちらも給湯機の名前です。
お湯を沸かすのに、エコキュートは電気、エコジョーズはガスを使います。

以下に、特徴を簡単に

  • 導入費用は、エコキュート40万円~、エコジョーズ20万円~
  • ランニングコストはガスを使うエコジョーズの方が高い
  • エコキュートは貯水タンクが場所をとる、エコジョーズはコンパクト
  • エコキュートはタンクが空になるとお湯が出なくなる、エコジョーズは断水にならない限りずっとお湯が出る
  • エコキュートは災害時の貯水タンクになる
  • エコキュートのお湯はそのままじゃ飲めない、エコジョーズのお湯は飲める

エコキュートの、災害時の貯水タンクになる、ランニングコストが安い、というメリットは正直捨てがたかったのですが、我が家は、以下の理由からエコジョーズを採用しました。

【立ち上がりが早く途切れない】
エコジョーズは、何より、立ち上が早く、お湯を安定供給してくれるというメリットがあります。
実家や職場の寮で暮らしていた時、

  • 「シャワーをひねっても、なかなかお湯にならない!」
  • 「お湯を使っていたら急に水が出てびっくりした!」

本当に暮らしの中で積み重なる、小さなストレスでした。
エコキュートよりランニングコストは多少高くなりますが、エコジョーズを使っていれば、そんなストレスとはおさらばです。
自分たちの手で新築を建て、じっくり腰を据えて暮らそう、となったときに、そこは譲れないポイントでした。

【湯切れがない】
エコキュートはタンク内のお湯がなくなってしまうと、次に沸くまでお湯を使えません
一方エコジョーズは、万が一の貯水槽としては使えませんが、断水が起こらない限りはお湯を使い続けられます
我が家は、子供二人を含む、4人家族。
今はまだ小さいですが、ビニールプールに温水をためたい、とか、部活から帰ってきてシャワーを浴びたい、とか、お湯の使用量が今後の子供の成長に伴い変化していくことが予想されます。
とは言え、子供が家にいるのは人生のうちでほんの一瞬。そのためだけに、大容量のエコキュートにしておくのもなんだかコスパが悪いような気がして、家族の状況の変化にも柔軟に適応してくれるエコジョーズを選びました。

【飲み水になる】
エコキュートは、一旦タンクに溜まったお湯を使用するため、タンク内の経年の汚れを考慮すると、衛生的にそのままでは飲み水としては使用できません
しかし、エコジョーズは水道水をその場で沸騰させてお湯に変えているので、温度設定次第でお茶を入れたりカップ麺にもそのまま利用できます
我が家では、軽井沢の新築をする前の家でも、ガス給湯器を使っていました。
そのため、寒冷地で、瞬時に熱湯が入手できること(ガス給湯器は本当に立ち上がりが早いです!)、蛇口から飲める熱湯が出ることの便利さが身に染みてわかっていました。

【プロパンガスだからこそ逆に】
軽井沢は、都市ガスが通っていません。
そのため、都市ガスより高価なプロパンガスを利用することになります。
しかし、給湯にはガスを使いたい。
給湯に使う熱を上手に再利用するのがエコジョーズ。
そのためどうせプロパンガスを使うのであれば、その熱を利用し、ガス代を浮かせてしまおう、と考えました。
そもそものガス代が高いので、エコジョーズで削減できる最大15%の節約効果は馬鹿になりません

ちなみに、我が家はキッチンはガスコンロではなくIH。ガスを利用するのは給湯のみです。
何だか逆説的な考えのようですが、譲れないところ「寒冷地でも、いつでも!即!途切れないお湯が欲しい!」を優先した結果、我が家はエコジョーズという選択になりました。

まとめ

コンパクトな高気密高断熱住宅を建てれば、寒冷地でも熱源はエアコン1台で十分であることがわかりました。
また、湿気がすごい軽井沢では、24時間換気システムの選択も重要になります。
大きなポイントさえ押さえてしまえば、あとは自分の好みでアレンジ可能。
我が家は、趣味の薪ストーブと、給湯はエコジョーズ、コンロはIHを選択しました。