軽井沢移住、なるべく費用は安くすませたいですよね。
その中で上がってくるのは、「屋根に太陽光パネルを載せるのか?」問題です。
- 軽井沢、意外と停電が多いっていうし、そんな時自家発電できるなら安心だよね。
- せっかく森の中に住むなら、環境に良い選択肢を選びたい。
- 国策のトレンドは、ZEH(ゼロエネルギーハウス)。補助金も出るし、絶対載せた方がいいでしょ!
そう思う一方、
- そもそも鬱蒼とした森の中で、発電量足りるの?
- FIT制度(電気を買い取ってもらえる制度)10年で終わるっていうし、ちゃんと元が取れるの?
と、心配な声も聞こえてきます。
軽井沢では太陽光載せる、載せない、どっちが賢くお得な選択肢なの?
この記事を書いたのは:
私は、幼いころから毎夏軽井沢で過ごし、軽井沢が大好き。この度、子供が2人生まれることを機に、軽井沢に新築を建て、東京23区から移住することにしました。大切な家族との移住、お金もかかるし、絶対に失敗したくない!!
この記事では:
軽井沢移住で、戸建て購入の場合、太陽光パネルを載せた方が良い場合、載せない方が良い場合を詳しく解説していきます。
この記事を読むと:
軽井沢移住で、自分の敷地や建物にとって、「太陽光載せる、載せない、どっちが賢くお得な選択肢なの?」かが自分で見極められるようになります。
結論は:
木が茂る別荘地の敷地では太陽光パネルを載せるのはペイしない!
載せるなら、ご自身の敷地の状態を見極めてから!
以下で詳しく説明していきますね!
目次:
1.軽井沢はそんなに停電が多いの?
2.軽井沢で使える!太陽光パネル&蓄電池の補助金!
3.木が切れない!?軽井沢町の自然保護対策要綱
4.寒さによる蓄電池の性能の低下/卒FIT後どうする?/電気自動車は?
まとめ
1.軽井沢はそんなに停電が多いの?
私がそもそも太陽光発電パネルを載せたいな、と思ったのは、軽井沢は結構停電が多いという噂からでした。
正確なデータはないのですが、3年前に移住した知人の情報だと、数十分の停電は、ちょこちょこあり、日常茶飯事とのこと。
火災保険の記事でも触れましたが、特に軽井沢は土壌が緩くて、倒木が多いようで、高い木が倒れることで、停電が起きやすいようです。
台風はもともと少ない土地柄でしたが、近年の気候変動で、2018年の台風12号の際の大停電など、台風の被害は確実に軽井沢にも迫ってきているようです。
今後、地球環境の変化により異常気象の波が来る避けがたいので、今まで起きなかったクラスの台風災害が軽井沢にも起きる可能性があります。
台風シーズン以外でも、冬、極寒の軽井沢で、急に電源がなくなってしまったらどうなるのでしょう。
そうした時の備えに、自給自足できるシステムを構築しておきたい!!
都市を離れる不安もありました。
こちらもおすすめ。デンマークデザインでおしゃれなうえに、太陽光充電可、暗くなったら自動点灯、コードレスでポータブル。停電対策&普段使いにもなり、めちゃくちゃ便利です。インテリア性と利便性がここまで両立している製品はないと思います。憧れの「SANTA&COLE」の「CESTITA BATERIA」風なのに値段10分の1なのも神。
2.軽井沢で使える!太陽光パネル&蓄電池の補助金!
さて、最近太陽光パネルの値段はどんどん下がっており、購入しやすくなっています。
そんな中、補助金だけで太陽光パネルの購入価格のかなりの割合が補填される可能性が出てきました。
この章では軽井沢で利用できる、太陽光パネルに対する補助金を紹介していきます!
①軽井沢町「住宅用太陽光発電システム等導入促進事業補助金」
住宅用太陽光発電システム等の導入に最大50万円の補助が出ます。
- 太陽光発電システムのみ設置 20万円
- 蓄電システムのみ設置 20万円
- 電気自動車等充給電システム(V2H)のみ設置 20万円
- 太陽光発電システム+蓄電システム50万円
- 太陽光発電システム+電気自動車等充給電システム(V2H)50万円
https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/contents/1001000000234/index.html
②長野県「信州健康ゼロエネ住宅助成金」
県がやっている、環境への負荷が少なく、県産木材を活用した住宅に助成金が出る事業です。
ZEH(ゼロエネルギーハウス)は、創エネ(太陽光発電など)によってエネルギー消費量を実質ゼロにする住宅を達成した場合を指しますが、
太陽光パネルでZEHが達成されれば、20万円が出て、最大補助金150万円にぐんと近づきます。
③国の「こどもみらい住宅支援事業」
2021年度の補正予算で、新たな補助金制度「こどもみらい住宅支援事業」が創設されました。
子育て世帯や若者夫婦世帯が建築・購入する省エネ性能の高い新築住宅に最大100万円、省エネリフォームは最大60万円が補助されます。
こちらも太陽光パネルでZEHが達成されれば、最大補助金100万円にぐんと近づきます。
https://kodomo-mirai.mlit.go.jp/
注:②と③はどっちかしか取れません。
現在の太陽光発電設備(5kW)導入費用100~200万程度と計算すると、
①と②か③どちらかを組み合わせれば、かなりの額が補填できそうですね!
3.木が切れない!?軽井沢町の自然保護対策要綱
軽井沢は日本一建築基準が厳しいと言われています。
あの京都より!?とは驚きです。
軽井沢の自然や景観を守るために作られた条項で、
中でも一番厳しいと言われているのは保養地域(別荘地)を対象とするもの
簡単にまとめると、
- 土地は広く、建物は小さく。住宅地にしないようにゆったり住んでね。
- 暗め、地味目の色の建物にしてね。
- 建物は低くして、できるだけ樹木を残してね。
という感じ。
https://house.karuizawa.co.jp/2021/01/14/1/
我が家は、森の中に住むような暮らしにあこがれていたし、
そもそも伐採伐根するのもかなりお金がかかるので
家の敷地の木は切るつもりはありませんでした。
そんな敷地の条件で、我が家が新築をご相談していた5社の工務店さんのうち4社は「ソーラーは無理だと思います」とのこと
ところが1社が、ソーラーが可能であれば、と、ちらっとお願いしたら、果敢にもソーラーを乗せるプランで進めてくださいました。
計画が進むうち、発電量はあまり見込めないとしても載せて意味あるんだろうか?と気になって、
「うちのような、鬱蒼とした敷地でもソーラー行けるんですか?」
と聞いてみたところ、
「いえ、建物より高い木は全部切る必要があります。」
との返答。
伐採抜根で300万円、ソーラー5khw乗せるのに安く見積もって100万円(2021年現在、補助金考慮せず)
どう考えてもペイしない・・・
そして、軽井沢まで引っ越して、木を全部切ってその後に芝生でも敷くのか?そんな家には住みたく無いなあ・・・(個人の志向の問題です)
そもそも周りにソーラー乗せている家がいないことから気づくべきでした。
軽井沢の鬱蒼とした森の中では太陽光発電は、コスパの悪い選択肢だったのです。
4.寒さによる蓄電池の性能の低下/卒FIT後どうする?/電気自動車は?
発電は昼間にします。
電気を使うのはみんなが帰ってきた夜。
基本的には昼間余った電機は電力会社に電気を買い取ってもらえます。
それがFIT制度です。
※FIT制度
再生可能エネルギーを使って発電した電気を、一定期間、一定の価格で電力会社が買い取る制度が固定価格買取制度
ところがここで問題点が2つ、
- 夜に停電したら、ほかの家と同じように電気の供給はなくなります。
- FIT制度が終わる10年後(卒FIT)、余剰電力の行き場がありません。
その二つの問題を同時に解決するのが、蓄電池です。
蓄電池は太陽光パネルとは別途に購入しなければならず、現在価格がかなり高いです。
2022年現在一番安価なテスラパワーウォールでも、
導入費用トータルで考えると、約170万円~200万円ほどと、決して安くはない。
電気自動車を蓄電池にするという考え方もあります。(日産リーフなど)
でも、肝心の昼間は仕事などで車が外に出ているようでは、蓄電池としては使えません。
やはり、蓄電池を買う必要があるのです。
しかし蓄電池も、軽井沢の寒冷環境では性能が落ちるのがとても早く、耐用年数が予想以上に短くなるとのことです。
それに寒い時期は、出力も落ちてしまうよう。
蓄電池は金属の化学反応を利用し、エネルギーを貯蓄します。
寒くなっちゃうと分子の運動性が落ちるのは、想像に難くないですねorz
せっかく高額をかけて買ったとしても、軽井沢という土地と、蓄電池は相性が悪いようです。
※電気自動車に関する補足ですが、町内の電気自動車の無料充電スポットは2021年に有料化してしまいました。
「電気自動車買って、帰宅時に無料で入れて帰るか〜」ぐらいに思ってたのですが、お金も時間も手間もかかるし、この考えもあんまりうまくないようです。
まとめ:
軽井沢で太陽光パネルを屋根に載せるのは、賢い選択肢なのか?を考察しました。
使えそうな補助金も結構あり、導入費用は抑えられそうでしたが
- 木を切れない(切りたくない)ので発電量が見込めない
- 蓄電池なしではいざという時の停電の備えにはならない
- 軽井沢ほどの寒冷地では蓄電池の劣化が早い
という理由で、我が家では太陽光パネルをあきらめました。
(非常用熱源として代わりに薪ストーブを導入しました)
軽井沢でも日照の確保できる駅前の市街地や商業地では可能かと思われますが、建築条件の厳しい保養地域(別荘地)で「森の中に住む」という感じの家を買った方は、太陽光パネルの運用はかなり厳しいかもしれません。